三重県尾鷲市の災害リスク

この記事では、尾鷲市の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。尾鷲市内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 尾鷲市の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域と想定される津波の高さ
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

尾鷲市(三重県)の人口は約14,351人(2025年推計)。標高は平均30.6mで、最低0.0mから最高190.0mの範囲です。

2040年には現在の50%程度まで人口が減少すると推計されており、災害時の共助体制の維持が課題となる地域です。


尾鷲市の災害リスクについて よくある疑問

Q. 尾鷲市は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

尾鷲市の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が78.5%、市域の13.0%が洪水浸水想定区域、55.9%が津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域が57箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「尾鷲市は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。尾鷲市の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 尾鷲市に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

尾鷲市で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大78.5%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は404.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

尾鷲市のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.1倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

尾鷲市では、836個の125mメッシュのうち108メッシュ(13.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 3.0m
浸水想定メッシュ数 108 / 836 メッシュ(13.0%)
最大浸水継続時間 24時間(約1日間)
対象河川 中川、八十川、北川、古川、小浜川、沓川、田海道川、真砂川、矢ノ川(9河川)

想定最大浸水深が3.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「尾鷲市 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(3日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

尾鷲市では、836メッシュのうち467メッシュ(55.9%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

想定最大浸水深が10.0mと非常に高く、3階建て以上の建物でも安全とは限りません。津波警報が発表されたら、すぐに高台や津波避難ビルへ避難してください。沿岸部にお住まいの方は、自宅から最も近い高台への徒歩ルートを複数確認しておきましょう。車での避難は渋滞のリスクがあるため、徒歩での避難を基本としてください。

今日からできる津波対策

  • 避難ルートの確認:自宅・職場から最寄りの高台への徒歩ルートを実際に歩いて確認する

  • 「津波てんでんこ」:強い揺れを感じたら、津波警報を待たずに各自すぐ高台へ避難する。家族の集合場所は事前に決めておく

  • 津波避難ビルの把握:「尾鷲市 津波避難ビル」で検索し、日常の行動範囲内にある津波避難ビルを把握しておく

  • 第2波・第3波への備え:津波は繰り返し押し寄せ、第1波が最大とは限りません。警報が解除されるまで高台にとどまりましょう


土砂災害リスク

尾鷲市には57箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。836メッシュのうち118メッシュ(14.2%)がこれらの区域に含まれています。

過去の記録では、尾鷲市で8件の土砂災害が発生しています(国土数値情報・土砂災害履歴データ: がけ崩れ6件、土石流0件、地すべり0件)。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「三重県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

尾鷲市の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 尾鷲市からの距離 想定M
中央構造線多気 40.5km M7.0
中央構造線五条 40.9km M7.4
中央構造線断層帯(五条谷区間~石鎚山脈北縁西部区間が同時に活動) 54.4km M7.7

地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 3,518mm
1月平均気温 6.3℃
8月平均気温 26.3℃

年間降水量が3,518mmと全国平均(約1,700mm)を大きく上回る多雨地域です。集中豪雨による浸水や土砂災害のリスクが高まりやすく、梅雨・台風シーズンには河川水位や気象情報をこまめに確認しましょう。

土地利用

建物用地が28.1%、森林が56.6%、農地が6.2%を占めています。

人口集中地区(DID)

人口集中地区の人口は8,540人、人口密度は3,175人/km²です。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 90箇所
消防署 3箇所
学校 16校
福祉施設 30施設
警察署 4箇所

最寄りの避難施設は「尾鷲市 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


尾鷲市の自然災害伝承碑

尾鷲市には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が5基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
宝永津波供養碑(馬越墓地の三界萬霊碑) 1713年 宝永地震(1707年10月28日)  地震・津波
遭難之碑 1973年 昭和東南海地震(1944年12月7日) 地震・津波
遭難之碑 1973年 三重県南部集中豪雨(1971年9月10日) 土砂災害
東南海地震都市計画完成記念の碑 1995年 昭和東南海地震(1944年12月7日) 地震・津波
安政津浪潮位点 安政東海地震(1854年12月23日) 地震・津波

伝承内容

宝永津波供養碑(馬越墓地の三界萬霊碑)(1713年建立)

宝永4年10月4日(1707年10月28日)に発生した宝永地震により東南海道一帯に津波が押し寄せた。このとき尾鷲浦においても、栢町(現・栄町)まで波が逆のぼり、人家半数が流失した。碑には、尾鷲は三方を海に面し背後は山であったため津波から逃げられず、全ての人々が波にのまれ、1,000人余りが溺死、遺体が山のように積み上がった、などの惨状が記されている。

  • 所在地: 三重県尾鷲市北浦町1520番
  • 災害: 宝永地震(1707年10月28日) 
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 34.07920, 136.19740

遭難之碑(1973年建立)

昭和19年(1944)12月7日午後1時半頃に発生した昭和東南海地震により、地震後20分で6mの津波が来襲し、当地方では、死者21人、流失家屋181戸の被害が発生した。山門裏には、当地方の主な津波被害・山津波の記録も残されている。

  • 所在地: 三重県尾鷲市賀田町724(東禅寺)
  • 災害: 昭和東南海地震(1944年12月7日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.97630, 136.18758

遭難之碑(1973年建立)

昭和46年(1971)9月10日午後4時頃、三重県南部集中豪雨により羽根川、大河谷川、山河、ほか各所で山腹崩壊による土石流が発生し、当地方では、死者13名、流失家屋26戸の被害となった。山門裏には、当地方の主な津波被害・山津波の記録も残されている。

  • 所在地: 三重県尾鷲市賀田町724(東禅寺)
  • 災害: 三重県南部集中豪雨(1971年9月10日)
  • 災害種別: 土砂災害
  • 地図: 33.97633, 136.18756

東南海地震都市計画完成記念の碑(1995年建立)

昭和19年(1944)12月7日午後1時36分頃熊野灘沖合で発生した昭和東南海地震による津波で、尾鷲市賀田地区は、高さ9mの津波に見舞われ、死者21人、家屋の流失181戸の被害を受けた。この碑の土台には「これより3.0m上が津波水位高」と記されている。

  • 所在地: 三重県尾鷲市賀田町
  • 災害: 昭和東南海地震(1944年12月7日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.97492, 136.18911

安政津浪潮位点

嘉永7年11月4日(1854年12月23日)、安政東海地震により発生した津波が賀田町で到達した地点を示している。賀田町ではこの津波で死者、家屋の流失などの被害が発生した。

  • 所在地: 三重県尾鷲市賀田町
  • 災害: 安政東海地震(1854年12月23日)
  • 災害種別: 地震・津波
  • 地図: 33.97544, 136.18775

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

尾鷲市で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、尾鷲市内の最大値で78.5%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

尾鷲市は洪水の危険がある?

尾鷲市の836メッシュのうち108メッシュ(13.0%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は3.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

尾鷲市に津波は来る?

尾鷲市の467メッシュ(55.9%)が津波浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。沿岸部にお住まいの方は、最寄りの高台や津波避難ビルを事前に確認しておきましょう。

尾鷲市の土砂災害警戒区域は?

尾鷲市には57箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、三重県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

尾鷲市の避難場所はどこ?

尾鷲市には90箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「尾鷲市 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:尾鷲市の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が78.5%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:108メッシュ(13.0%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

  • 津波:想定最大10.0m。沿岸部では高台への避難経路を複数確認

  • 土砂災害:57箇所の警戒区域。大雨時は早めの避難を

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。尾鷲市内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。