長野県高森町の災害リスク

この記事では、高森町の地震・洪水・津波・土砂災害のリスクを、政府の公開データをもとにまとめています。防災DBでは、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを無料で一括評価できます。高森町内の詳しい住所単位のリスクを知りたい方は、ぜひご活用ください。

この記事でわかること

  • 高森町の地震発生確率と地盤の特徴
  • 洪水浸水想定区域の範囲と想定浸水深
  • 土砂災害警戒区域の数と過去の災害記録
  • 周辺の活断層の位置と想定マグニチュード
  • 避難施設・防災インフラの情報
  • 今日からできる災害別の具体的な備え

高森町(長野県)の人口は約12,346人(2025年推計)。標高は平均552.9mで、最低410.3mから最高828.8mの範囲です。


高森町の災害リスクについて よくある疑問

Q. 高森町は災害に強い街ですか? 弱い街ですか?

高森町の主な災害リスクは、30年以内の震度6弱以上の発生確率が38.89%、市域の12.2%が洪水浸水想定区域、土砂災害警戒区域が32箇所です。「強い・弱い」は一言で判断できるものではなく、住まう場所の標高・地盤・河川からの距離によって大きく変わります。本記事では6種類のハザードを数値で個別に解説しています。

Q. 「高森町は危ない」「やばい」という声を見かけました。実際のところはどうですか?

「危ない」「やばい」「怖い」といった言葉は主観的な評価で、根拠となるデータが伴っていない場合もあります。高森町の災害リスクを客観的に把握するには、全国地震動予測地図・洪水浸水想定区域図・津波浸水想定など政府が公開している一次データを参照するのが確実です。本記事ではこれらの公開データから、ハザードごとの具体的な数値と想定される被害の目安をまとめています。

Q. 高森町に住む前、引っ越す前に確認しておくべきことは?

自宅や検討中の物件が次の区域に含まれるかを、自治体のハザードマップで確認することを推奨します。

  • 洪水浸水想定区域と想定浸水深
  • 津波浸水想定区域(沿岸部の場合)
  • 土砂災害(特別)警戒区域
  • 活断層からの距離

防災DBの住所検索では、住所を入力するだけで6種類の災害リスクを一括で数値化できます。


地震リスク

高森町で今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は最大38.89%です(2024年版全国地震動予測地図)。

震度6弱は、立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる揺れです。

表層地盤の平均S波速度(AVS30)は385.0m/sです。AVS30は地盤の硬さを示す指標で、数値が小さいほど地震の揺れが増幅されやすくなります。

高森町のAVS30は300m/s以上で、比較的硬質な地盤のエリアです。地盤増幅率は1.03倍と比較的低く抑えられていますが、地震確率自体が高い場合は対策が必要です。

30年確率が26%以上と非常に高い値です。これは「30年間に震度6弱以上の揺れを経験する可能性が約4分の1以上」という意味です。耐震診断をまだ受けていない場合は、自治体の耐震診断補助制度の利用を検討してください。

今日からできる地震対策

  • 家具の転倒防止:突っ張り棒やL字金具で固定する。特に寝室の背の高い家具は最優先

  • 寝室の安全確認:本棚やタンスの近くで寝ない。倒れても体に当たらない配置に変える

  • 枕元の備え:スリッパ(ガラス破片対策)と懐中電灯を枕元に置く

  • 食器棚:ガラス飛散防止フィルムを貼る。扉が開かないよう留め具を取り付ける

  • 感震ブレーカー:地震後の通電火災を防ぐため、分電盤に設置を検討する


洪水リスク

高森町では、1,188個の125mメッシュのうち144メッシュ(12.2%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。

項目 データ
想定最大浸水深 10.0m
浸水想定メッシュ数 144 / 1,188 メッシュ(12.2%)
最大浸水継続時間 168時間(約7日間)
対象河川 天竜川(1河川)

想定最大浸水深が10.0mと、2階部分まで浸水が想定されるエリアがあります。自宅が浸水想定区域に含まれるかどうか、自治体のハザードマップで確認してください。1階に寝室がある場合は、大雨警報の発表時に2階以上へ移動する準備をしておくと安心です。

浸水継続時間が最大168時間(約7日間)と長期に及ぶ想定です。孤立に備えて、飲料水(1人1日3リットル)と食料を最低3日分、できれば1週間分備蓄しておくことをおすすめします。

今日からできる洪水対策

  • ハザードマップの確認:自治体のハザードマップで自宅の想定浸水深を確認する。「高森町 ハザードマップ」で検索

  • 「川の防災情報」アプリ:国土交通省の公式アプリをスマホにインストールし、水位アラートを設定する

  • 避難の目安:水深が30cmを超えると車が動かなくなり、50cmを超えると大人でも歩行が困難になります。早めの避難判断を

  • 備蓄品の準備:飲料水・食料(7日分)、携帯トイレ、モバイルバッテリー、常備薬を2階以上に保管する


津波リスク

高森町には津波浸水想定区域のデータがありません。


土砂災害リスク

高森町には32箇所の土砂災害警戒区域が指定されています(国土数値情報・土砂災害警戒区域データ)。1,188メッシュのうち279メッシュ(23.5%)がこれらの区域に含まれています。

今日からできる土砂災害対策

  • 警戒区域の確認:「長野県 土砂災害警戒区域マップ」で検索し、自宅が警戒区域に含まれるか確認する

  • 前兆現象を知る:がけ崩れの前兆は「小石がパラパラ落ちる」「がけに割れ目が見える」「がけから水が湧き出す」。1つでも気づいたらすぐに離れる

  • 避難のタイミング:土砂災害警戒情報が発表されたら、暗くなる前に避難する

  • 就寝時の備え:崖に面した部屋で寝ない。2階の崖と反対側の部屋で就寝することで、万一の場合でも生存率が上がる


活断層

高森町の周辺には以下の活断層が確認されています(地震調査研究推進本部)。

断層名 高森町からの距離 想定M
伊那谷断層帯南東部 3.2km M6.8
下伊那竜東断層帯 4.5km M7.2
伊那谷断層帯主部 4.7km M7.3

最寄りの活断層(伊那谷断層帯南東部)との距離が3.2kmと非常に近く、この断層が活動した場合は直下型地震となる可能性があります。直下型地震は緊急地震速報が間に合わないことがあるため、事前の備え(家具固定、耐震補強)が特に重要です。


地域の特徴

気候

項目 データ
年間降水量 1,734mm
1月平均気温 0.3℃
8月平均気温 24.3℃
最深積雪 13cm

土地利用

建物用地が17.4%、森林が20.7%、農地が59.6%を占めています。


避難施設・防災インフラ

項目
避難施設 26箇所
消防署 1箇所
学校 4校
福祉施設 28施設
警察署 1箇所

最寄りの避難施設は「高森町 避難場所」で検索して確認できます。日頃から自宅・職場から最寄りの避難場所への経路を確認しておきましょう。


高森町の自然災害伝承碑

高森町には、過去の災害を後世に伝える自然災害伝承碑が6基登録されています(国土地理院)。碑が記録する災害は、これから起こりうる災害への備えを考える上で重要な歴史資料です。

碑名 建立年 災害名 災害種別
災害復興記念 1963年 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬) 洪水
復興記念碑 1964年 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬) 洪水・土砂災害
復興記念碑 1965年 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬) 洪水・土砂災害
土地改良記念 1969年 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬) 洪水
慰霊碑 1971年 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬) 洪水・土砂災害
前亡後死三界万霊塔 未(ひつじ)の満水(1715年7月18日) 洪水・土砂災害

伝承内容

災害復興記念(1963年建立)

昭和36年(1961)6月下旬の梅雨前線による集中豪雨で伊那谷は今までにない惨禍に見舞われた。大島川では両岸の耕地及び道路、山林、橋梁はほとんど洗い流され、家屋も倒壊・流失した。また、出砂原(ださら)付近では、氾濫により製糸工場が流入した土砂でほとんど埋没し、壊滅的な大損害となった。

  • 所在地: 長野県下伊那郡高森町吉田481-13(下伊那厚生病院)
  • 災害: 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 35.55079, 137.88828

復興記念碑(1964年建立)

昭和36年(1961)6月下旬の梅雨前線による豪雨は500mmを超え、山腹崩壊や渓流河川の氾濫、天竜川の堤防も決壊し、高森町では、死者11名、流失・全半壊家屋108戸、田畑山林の流失約250ヘクタール等の被害が発生した。

  • 所在地: 長野県下伊那郡高森町下市田
  • 災害: 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 35.55166, 137.87387

復興記念碑(1965年建立)

昭和36年(1961)6月下旬の梅雨前線による豪雨で、各河川が大氾濫を起こし、天竜川惣兵衛堤防の決壊や山腹崩落が発生した。高森町下市田区では、萩山神社本殿の倒壊をはじめ、多数の家屋の流失・全半壊・埋没のほか、耕地、中小河川、道路、建物等で激甚な被害が発生した。

  • 所在地: 長野県下伊那郡高森町下市田(萩山神社)
  • 災害: 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 35.54675, 137.87045

土地改良記念(1969年建立)

昭和36年(1961)6月に伊那谷を襲った梅雨前線豪雨により各河川は大氾濫し、築堤以来200年余り下市田河原を守り堅固を誇った下市田大川除(惣兵衛堤防)も同月29日夕方に決壊し、美田40ヘクタール余りを流失した。この碑の近くには、当時惣兵衛堤防上に水防の神として祀られていた水天宮も流出したことが記された「水天宮」の碑が建立されている。

  • 所在地: 長野県下伊那郡高森町下市田
  • 災害: 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬)
  • 災害種別: 洪水
  • 地図: 35.54700, 137.88705

慰霊碑(1971年建立)

昭和36年(1961)6月下旬、梅雨前線豪雨が伊那谷を襲った。この影響で土石流が発生、田沢川の追分橋より下流の水田を守るために、水防作業をしていた12名が土石流に飲み込まれ、11名が犠牲になった。

  • 所在地: 長野県下伊那郡高森町山吹
  • 災害: 昭和36年梅雨前線豪雨(三六災害)(1961年6月下旬)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 35.57512, 137.87559

前亡後死三界万霊塔

正徳5年6月17日(1715年7月17日)から降り始めた雨は、18日夜明けから膝を並べて話す声が聞こえないほどの大雨となった。高森町では大島川から流れ出た土石流が天竜川をせき止め、濁流は4km上流の竜の口まで満ち溢れ、諏訪湖のような満水(洪水)となった。

  • 所在地: 長野県下伊那郡高森町下市田
  • 災害: 未(ひつじ)の満水(1715年7月18日)
  • 災害種別: 洪水・土砂災害
  • 地図: 35.54950, 137.88526

出典: 国土地理院「自然災害伝承碑」(CC BY 4.0)


よくある質問

高森町で大地震が起きる確率は?

今後30年以内に震度6弱以上の揺れが発生する確率は、高森町内の最大値で38.89%です(2024年版全国地震動予測地図、防災科学技術研究所)。

高森町は洪水の危険がある?

高森町の1,188メッシュのうち144メッシュ(12.2%)が洪水浸水想定区域に含まれています。想定最大浸水深は10.0mです。お住まいの地域が浸水想定区域に含まれるかは、自治体のハザードマップで確認できます。

高森町の土砂災害警戒区域は?

高森町には32箇所の土砂災害警戒区域が指定されています。お住まいの場所が警戒区域かどうかは、長野県の土砂災害警戒区域マップで確認できます。

高森町の避難場所はどこ?

高森町には26箇所の避難施設があります。最寄りの避難場所は「高森町 避難場所」で検索して確認できます。


まとめ:高森町の防災で押さえておきたいこと

  • 地震:30年以内に震度6弱以上の確率が38.89%。家具の固定と耐震性の確認を

  • 洪水:144メッシュ(12.2%)が浸水想定区域。ハザードマップで自宅の浸水深を確認

防災DBでは、住所を入力するだけで地震・洪水・津波・土砂災害・高潮・液状化の6つの災害リスクを無料で一括評価できます。高森町内の詳しい住所単位のリスクを確認してみてください。


データ出典: 全国地震動予測地図(防災科学技術研究所)、国土数値情報(国土交通省)、国勢調査(総務省)、土砂災害履歴(国土数値情報)。各データの詳細はデータソース一覧をご覧ください。