津波の危険がある場所で、強い揺れや長くゆっくりした揺れを感じたら、警報を待たず、より高い安全な場所へ避難します。 揺れを感じなくても、大津波警報・津波警報が発表された沿岸部や川沿いでは避難が必要です。気象庁「津波から身を守るために」
津波の避難では、早く動くことと、向かう場所を間違えないことの両方が大切です。海から離れた川沿いにも危険が及ぶ場合があり、近くの学校だから安全、波が引いたから戻れる、とは限りません。
覚えることは、「警報が来るまで待たない場面がある」「津波に対応する避難先を選ぶ」「波が引いても戻らない」の3点です。スマートフォンに通知がないことも、海が静かに見えることも、安全の根拠にはできません。
1. 津波は、海岸だけでなく川沿いにも届く
津波は大量の海水が押し寄せる現象です。海岸から陸へ浸水するほか、川をさかのぼって川沿いに影響することもあります。「海が見えない」「海岸から離れている」ということだけで、安全とは判断できません。気象庁「津波について」

海からの距離だけで判断せず、津波ハザードマップで地域の想定を確認します。
平時には、自治体の津波ハザードマップで自宅、職場、よく訪れる場所を確認します。地図には想定する条件があり、色の有無だけであらゆる状況の安全が保証されるわけではありません。実際の避難は、揺れや警報、自治体の情報にも応じて判断します。気象庁「津波から身を守るために」
地図の読み方に迷ったら、ハザードマップで色がついていない場所の考え方も確認できます。
2. 避難を始める合図は、揺れと津波の情報
強い揺れや、長くゆっくりした揺れを感じたら
津波のおそれがある場所では、警報を見てから判断しようと待つと、避難が遅れるおそれがあります。強い揺れや長くゆっくりした揺れを感じたら、まず身を守り、避難を始めます。海の様子を見に行って確かめる行動は避けてください。気象庁「津波から身を守るために」
揺れを感じなくても、警報・注意報に応じて行動する
遠くで起きた地震などによって、目立つ揺れを感じない場所にも津波が到達することがあります。自分が揺れを感じたかどうかだけで判断せず、現在地が発表対象に含まれるかを確認します。気象庁「津波について」
| 合図・情報 |
行動の基本 |
| 津波の危険がある場所で強い揺れ、または長くゆっくりした揺れ |
警報を待たず、より高い安全な場所へ避難する |
| 大津波警報・津波警報 |
対象の沿岸部や川沿いから、高台や津波避難ビルなどへ避難する |
| 津波注意報 |
海の中からすぐ上がり、海岸から離れる。解除まで海へ入ったり海岸へ近づいたりしない |
警報と注意報では、想定される被害と基本の行動が異なります。ただし、警報から注意報へ切り替わったことを理由に、すぐ海岸へ戻ってよいわけではありません。自治体から避難の呼びかけがある場合は、それも確認します。気象庁「津波警報・注意報、津波情報、津波予報について」
情報の時刻や地域の読み取りは、地震情報を行動の判断に使う方法で詳しく説明しています。
3. どこへ、どう向かうかを決めておく
避難先は、高台や、地域で津波に対応する避難場所・避難ビルとして案内されている場所を確認します。「近い施設」「よく知っている学校」という理由だけで選ばないことが大切です。

避難先は対象の災害を確認。近くの学校や公民館が津波に安全とは限りません。
市町村が指定する緊急避難場所は、津波、洪水、大規模な火事など、災害の種類ごとに指定されます。一方、避難生活を送る「指定避難所」は役割が異なります。両方を兼ねる施設もありますが、津波から逃れるときは、津波に対応しているかを確認します。 内閣府「避難場所に関すること」
また、川をさかのぼる津波もあるため、「とにかく川の上流へ向かえば安全」という考え方はできません。地域で示されている避難先と経路を確認し、より高い安全な場所へ向かいます。津波避難ビルを使う場合も、どの階や場所へ避難するのかまで平時に確認しておきましょう。
避難は原則として徒歩で考えます。ただし、歩行が難しい人や、避難先までの距離などの条件によっては、必要な手助けや移動手段を地域であらかじめ調整する必要があります。車を使うかどうかも含め、自治体の計画と本人の条件に合わせて準備します。内閣府「令和8年版防災白書・津波避難について」
普段の道順がそのまま使えるとは限りません。避難先を一つ覚えるだけでなく、経路や、さらに高い場所への移動先も家族などと確認しておくと、現地で判断する材料になります。気象庁「津波から身を守るために」
4. 波が引いても、すぐ戻らない
津波は一度で終わらず、繰り返し襲ってきます。後から来る波が高くなる場合もあるため、一度波が引いたことや、海面が落ち着いて見えることを、安全の根拠にしてはいけません。気象庁「津波について」

津波は繰り返し襲来します。警報・注意報の解除まで避難を続けます。
警報・注意報が解除されるまでは避難を続け、自治体などの最新情報を確認します。荷物が心配でも、危険な場所へ取りに戻らないでください。解除後も、浸水や道路の被害などによる通行規制があれば、その案内に従います。
旅行先や知らない地域では、何を確かめておくか
海辺の宿泊施設や川沿いの滞在先では、着いてから次の内容を確認しておきます。家の近くで使う避難先の知識を、そのまま旅行先へ当てはめないためです。
| 確かめること |
聞き方・見方 |
| 津波の避難先 |
自治体の津波ハザードマップを開き、「津波に対応する避難場所はどこですか」と施設の案内も確かめる |
| 建物へ逃げる場合の行き先 |
「何階の、どの場所へ避難しますか。そこへ通れる入口はどこですか」と確認する |
| 避難経路と移動の手助け |
同行者と道順を確かめ、階段や坂が難しい人がいれば、施設や地域へ事前に相談する |
学校がすぐ近くにあっても、看板の「避難所」という文字だけで津波の避難先に決めないでください。生活の場として指定された施設と、津波から命を守る場所は、役割が違う場合があります。内閣府「避難場所に関すること」
確認している途中でも、強い揺れや長くゆっくりした揺れを感じたら、調べ終えることより避難を優先します。 この記事の表は平時の準備用です。気象庁「津波から身を守るために」
実際の自治体ページで避難先を探す手順は、地域の危険と避難先の調べ方で扱います。
平時に、自宅や訪問先の津波リスクを確認する
避難が必要になったときに検索から始めずに済むよう、普段のうちに場所を決めて調べておきましょう。
住所を入力して、津波などの災害リスクを確認する
防災DBで地域の情報を確認したら、自治体の津波ハザードマップで、避難場所と経路を確かめます。住所検索は平時の備えのための入口です。強い揺れや津波警報などで避難が必要な場面では、検索結果を待たず安全確保を優先してください。
「始める・向かう・戻らない」を一つにつなげる
津波の避難は、揺れや情報を合図に始め、津波に対応する安全な場所へ向かい、解除まで続けるものです。海や川との位置関係、移動しやすさ、必要な手助けを平時に確認することで、実際の行動につなげやすくなります。