岩倉市の浸水リスクは、市の公式「内水・洪水ハザードマップ」から確認できます。表面は内水、裏面は洪水で、それぞれに「計画規模」と「想定最大規模」の図があります。自宅だけでなく、避難先までの経路も同じ条件の図で見比べましょう。

公式ページには、内水と洪水を重ねた図や、東海豪雨の実績図もあります。これらは同じ意味の地図ではありません。まず資料名を確認し、次に凡例を読むことが大切です。

どのPDFを開けばよいか

市の案内には簡易版と通常版があり、日本語のほか英語・ポルトガル語版も掲載されています。通常版の表面・裏面を開くと、図と避難情報を一緒に確認できます。

資料 分かること 確認する順番
内水ハザードマップ・表面 排水しきれない雨による浸水、2つの降雨規模、避難行動のフロー 自宅の位置→図の規模→深さの凡例→フロー
洪水ハザードマップ・裏面 河川の決壊・氾濫、早期立退きが必要な区域、避難施設、入鹿池の想定 同じ自宅の位置→図の規模→危険区域→施設と経路
内水・洪水の重ね合わせ図 同じ規模の内水と洪水を重ねた浸水範囲 最大規模か計画規模かを確認し、表裏の条件へ戻る
東海豪雨の実績図 2000年9月11日の浸水区域や床上・床下浸水の記録 実績図専用の凡例を読み、将来の想定図と区別する

案内ページの更新日は2026年8月4日ですが、内水・洪水のPDFには「令和5年4月」と記載されています。ページの更新日だけで、地図の計算条件まで2026年のものと判断しないでください。

内水の63mmと147mmは、異なる想定条件

内水PDFでは、下水道事業の整備状況などを考慮し、岩倉市の区域内での降雨をもとに浸水を計算しています。

内水の図 降雨の条件 注意する点
計画規模 1時間雨量63mm。おおむね10年に1回程度の大雨を想定 想定最大規模と同じ条件の図ではない
想定最大規模 1時間雨量147mm 計画規模で色がなくても、こちらの図を確認する
共通の整備条件 令和5年度中に完成予定の下水道施設を含む 現在の整備状況と同じだと決めつけない

63mmや147mmは、地図を計算する雨の条件です。その雨量まで避難を待ってよいという基準ではありません。図の注意書きは、雨の降り方や土地の形、河川・下水道の整備状況によって浸水区域や程度が変わると説明しています。道路の側溝など、計算で考慮していない条件もあります。

内水図だけでは、堤防を越えた水や決壊による河川の洪水を確認しきれません。表面で住所付近を確認した後は、裏面の洪水図でも同じ場所を探してください。

洪水図と重ね合わせ図をどう読むか

洪水PDFでは、複数の河川の浸水想定・浸水予想を重ねています。想定最大規模と計画規模では、使用する資料と降雨条件が異なります。河川の雨量は流域と時間を含めて読む必要があり、内水の「1時間雨量」と数字だけを比べて危険度を決めないでください。

市は、想定最大規模の重ね合わせ図と、計画規模の重ね合わせ図を別々に公開しています。自宅や経路の浸水範囲をまとめて見たいときに使い、気になる場所は内水・洪水それぞれの元図と条件へ戻って確認します。元図の深さを自分で足して、重ね合わせ図の水深を作らないでください。

計画規模で色がない場所でも、想定最大規模や別の水害では結果が変わります。色がついていない場所の読み方も参考に、図の種類・規模・凡例をそろえて確認しましょう。

入鹿池の図と早期立退きの区域も確認する

洪水PDF右側には、入鹿池の浸水想定区域図があります。これは、満水の池が決壊し、池の水がすべて下流へ流出した場合の想定です。河川の洪水とは別の条件として読み、自宅や経路の確認から外さないでください。

同じPDFの「早期立退き避難が必要な区域」は、浸水の深さが3m以上になる区域、または河岸侵食により倒壊するおそれがある区域を示しています。家の階数だけを理由に、屋内に留まってよいとは判断できません。自宅の位置を、深さの色と危険区域の記号の両方で確認します。

東海豪雨の実績図は、将来の想定図と色を混同しない

東海豪雨の実績図は、2000年9月11日に五条川・矢戸川が溢水し、市内で浸水が起きた記録です。凡例は、浸水区域、床上浸水世帯、床下浸水世帯を区別しています。赤い数字は浸水水位をセンチメートルで示しています。

内水・洪水の想定図は、水深の区分を色で表しています。実績図の紫色などを、想定図の同じ色の水深へ読み替えないでください。実績図に記録がない場所も、将来浸水しないとは判断できません。過去の記録と想定条件の違う図を併せて見ることで、確認すべき場所を探します。

避難施設は、災害の種類と開設情報を確認する

洪水PDFの施設一覧は「指定緊急避難場所(洪水・内水氾濫)」で、施設名に加えて階層の欄があります。番号で候補施設を探し、利用する場所と経路を確認してください。施設までの距離が近くても、途中に浸水が想定される道路やアンダーパスがあれば、別の経路や候補も考えます。

市の避難施設案内では、危険から最初に逃れる指定緊急避難場所と、避難生活を送る指定一般避難所を区別しています。緊急避難場所は災害種別ごとに確認が必要です。

風水害時の避難所は、災害の状況に応じて必要な施設を順次開設します。すべて一斉に開設されるわけではありません。地震時の自動開設の説明を、水害時にも当てはめないでください。福祉避難所を希望する場合も、市はまず開設中の指定一般避難所へ避難し、その後必要な人を移送すると案内しています。

平時には内水PDFの避難行動判定フローを使い、自宅・避難先・経路と、家族の支援や備蓄の必要性を話し合っておきます。岩倉市の防災情報と市の最新情報を確認してください。この記事や想定図から、現在の冠水・通行の可否、個別住宅の安全、避難所の開設状況を判断することはできません。