蒲郡市のハザードマップは、市の各種ハザードマップ一覧から災害別に開けます。自宅の周囲を調べる際は、河川の洪水、雨水出水による内水、津波、高潮、土砂災害、地震の図を分けて確認してください。避難先も、地震・大規模災害用の指定避難所と、風水害時の地域避難場所では案内が異なります。

2026年2月には雨水出水浸水想定区域図が公表されました。古い浸水実績図や河川洪水の図だけで内水の確認を済ませず、この図の赤枠・浸水深・継続時間も見ましょう。海沿いでは、市の津波マップの根拠となる2019年の指定と、県が2026年6月に公表した津波浸水想定の見直しも区別して確認します。

何を調べるかで公式ハザードマップを選ぶ

各図は作成年月や想定条件が異なります。一覧ページの更新日を、すべての図面の改定日と読み替えないことが大切です。

確認したいこと 公式の入口・資料 比べる条件と時点
地震の揺れ・液状化 蒲郡市ハザードマップ、液状化の案内 総合図には2025年7月版のリンクがあるが、図の震度・液状化・津波浸水予想地域の出典は県の2014年5月の調査
河川洪水・土砂災害 洪水・土砂災害マップ 東部・西部PDF。河川図の説明欄は2024年11月12日公表、土砂災害警戒区域は市の一覧で2019年8月23日公表の内容と説明
下水道等からの内水 雨水出水浸水想定区域図 2026年2月27日公表。想定最大規模降雨、赤枠の排水区域、深さと継続時間の2枚を確認
津波の浸水・避難 市の津波マップ、県の津波浸水想定 市のマップは2019年7月30日指定の津波災害警戒区域。県は2026年6月15日に浸水想定を変更・公表
台風による高潮 高潮マップ 県の2021年6月公表データに基づく。地震で生じる津波とは別
ため池が決壊した場合 ため池マップ一覧 地区・ため池名で選択。満水時に堤体中央部が決壊する条件の浸水深・到達時間
災害別の避難先・開設 地震等の指定避難所・緊急避難場所、風水害時の地域避難場所 滞在先と緊急に身を守る場所を分ける。施設一覧とその時点の開設状況も別に確認

住所の位置を見つけたら、家だけでなく職場・学校・避難先までの道も確認します。目的地に指定があっても、そこまでの道が同じ災害で安全とは限りません。平時に、河川沿い、低い道路、崖や斜面の近くを通る箇所と別の経路を調べておきましょう。

洪水・土砂災害の東部と西部の図で見ること

河川洪水の雨量と内水の雨量は時間単位も違う

東部PDFと西部PDFは、縮尺1万5,000分の1で、市内を東西に分けて表示しています。東部は相楽町・大塚町側から、西部は三河三谷駅周辺から西浦町側の確認に使えます。重なる地域も、住所の位置を原図で確かめてください。

両図の河川欄は、紫川・西田川・落合川・拾石川の各流域の24時間総雨量836mmを前提とし、公表年月日を2024年11月12日と記しています。河川からあふれる洪水の図であり、後述する雨水出水の「1時間146mm」と同じ計算条件ではありません。

市のページには2022年のデータに基づくとの説明も残っています。住所を見るときは、配布PDFの基本事項欄にある公表日・対象河川・雨量を併せて確認してください。また、ここで使う「想定最大規模降雨のレベル2」は雨量想定の区分で、避難情報の「警戒レベル2」とは意味が異なります。

水深・河岸侵食・土砂災害の模様を分ける

河川図の水深は0.3m未満、0.3~0.5m未満、0.5~1.0m未満、1.0~3.0m未満、3.0~5.0m未満の5区分です。水深の色と、河川の両岸に付いた緑の枠・模様を別々に見ます。緑の模様は家屋倒壊等氾濫想定区域の「河岸侵食」で、洪水で川岸が削られ、木造・非木造の建物が倒壊するおそれのある区域です。原図には氾濫流の該当区域はないとの注記もありますが、河岸侵食や他の災害がないという意味ではありません。

斜面付近の黄色・赤色の模様は、土砂災害警戒区域・特別警戒区域です。急傾斜地の崩壊と土石流の凡例を読み、家だけでなく避難経路が通る谷や斜面も見ます。河川の水深が浅い、または色がないことを理由に、斜面の危険までないと判断しないでください。

市は、過去の災害では警戒区域に指定されていない斜面の崩落も見られたと説明しています。区域内外にかかわらず、雨や周囲の変化、現在の防災情報を確認し、危険を感じたときは早めに安全を確保します。

2026年の雨水出水図で内水を別に確認する

赤枠の外側は想定対象の範囲外

雨水出水の深さの図は、下水道で雨水整備の対象としている区域に、1時間146mmの想定最大規模降雨が降った場合の内水氾濫をシミュレーションしたものです。河川・海域からの溢水や堤防決壊などによる洪水の影響は加味していません。市の説明でも、津波・高潮・洪水の氾濫を考慮しないとしています。

赤枠は公共下水道等の排水区域で、その中の着色部分が想定される浸水区域です。赤枠の外は対象範囲外であり、白地が安全の証明になるわけではありません。 深さの凡例も河川図の5区分とは違い、0.3m未満から20m以上までの8区分です。別の地図で見た色や区分をそのまま当てはめないようにします。

計算は5mメッシュの標高データと、2022年度末の排水施設の整備状況を基にしています。排水先の河川・海域の水位を高い条件に設定し、海域への吐き口には、実際の設置有無にかかわらずフラップゲートという逆流防止設備をモデル化しています。これは計算上の条件であり、家の近くにその設備が実際に備わっていることを保証する記載ではありません。

市は地番ごとの詳細な浸水判定図ではなく、個別の土地が浸水するかの回答は行わないと説明しています。図から自宅の被害を断定せず、対象範囲と住所周辺を確認し、建物や経路の状況も併せて備えを考えてください。

継続時間と過去の実績は別の情報

雨水出水の継続時間図は、0.5m以上の浸水が継続する時間を示します。凡例は1~3時間未満、3~6時間未満、6~12時間未満、12~24時間未満、24時間以上の5区分です。水が完全になくなる時刻、道路が通れる時刻、断水・停電の復旧時刻ではありません。

市の説明ページは、従来の浸水実績図についても、主に2008年8月の集中豪雨・2009年10月の台風18号の罹災証明書から周辺道路の浸水状況を推測した図で、シミュレーションではないと説明しています。過去の被害の把握には役立ちますが、2026年の想定区域図の代わりにはしないでください。

津波・高潮・ため池は水の高さの意味が違う

市の津波マップと県の2026年見直しを併せて見る

市の津波マップでは、西浦、鹿島・形原、浜町・塩津、三谷・蒲郡町部、大塚・海陽の地区別PDFと、三河大島の資料を選べます。これは2019年7月30日指定の津波災害警戒区域を示すマップです。総合地震図の「津波浸水予想地域」は、それ自体がこの警戒区域の指定を示すものではありません。

一方、県の公式公表ページでは、2026年6月15日に津波浸水想定を変更したと公表しています。蒲郡市を含む詳細図の入口は図面番号12・13で、マップあいちでは「くらし・安全」の「水害情報マップ」を案内しています。市の2019年指定の資料だけで現在の想定を確認し終えず、県の新しい図も見てください。新想定の公表日と、警戒区域の指定日は別の事項です。

市の地震・津波への備えのページには、2014年の被害予測に基づく到達時間等が掲載されています。これを現在の新想定の数値や、地震のあと待てる時間として使わないでください。市は地震発生直後に海岸や川から離れ、高い土地や建物へ逃げるよう案内し、車は渋滞で動けなくなるおそれがあると説明しています。

高潮水位は自宅の浸水深ではない

高潮マップは、2021年6月公表の県データを用いた台風による浸水想定です。仕組みと条件のPDFでは、室戸台風級の中心気圧910hPa、伊勢湾台風の移動速度73km/h、堤防等がすべて決壊する場合、河川洪水の同時発生を考慮する条件を示しています。

市の表にある最大高潮水位5.9m(T.P.)は、陸地と海の境界から沖合約30mの地点の水位を標高で示したものです。自宅の地面から5.9m浸水するという意味ではありません。自宅周辺の浸水深はマップの色で、長く孤立する可能性は0.5m以上の浸水継続時間の図で別に確認します。高潮と津波の数値を同じ現象の高さとして比較しないようにしましょう。

ため池については、市の一覧で地区とため池名を選べます。満水時に堤体中央部が決壊した想定で、最大浸水深は瞬間の最大値であり、区域全体で同時に起こる深さではありません。到達時間を避難までの猶予として扱わず、異常を感じた場合はまず池や浸水想定区域から離れて身を守ります。

避難施設は災害・建物部分・開設状況を確認する

地震・大規模災害時の指定避難所・指定緊急避難場所一覧と、風水害時の地域避難場所一覧を使い分けます。具体例は次のとおりです。

施設名 公式資料での役割 選ぶ前に確認すること
大塚小学校体育館 地震・大規模災害時の指定避難所 避難生活のための場所。校庭や津波時の高所と同じ扱いにしない
大塚小学校校庭 地震・大規模災害時の指定緊急避難場所 一時的に身を守る広い場所。体育館の滞在機能とは別
三谷小学校(体育館) 風水害の開設状況ページに掲載 車いす対応トイレは○。一覧への掲載と現在の開設は別
東部公民館 風水害時の地域避難場所 車いす対応トイレは×。支援が必要なら平時に相談する
蒲郡市モーターボート競艇場 地震・津波への備えのページの津波避難ビル一覧に掲載 近くの高い土地・建物へ逃げる選択肢。長期の避難生活用施設と混同しない

市の風水害一覧の車いす対応トイレの○・×は、その施設に設備があっても、開設時に使えない別棟や施錠場所にあるものは除外した表示です。災害そのものの適否の○・×ではありません。設備の状況や必要な支援は、平時に確認してください。

開設は、風水害時の開設状況と地震・大規模災害時の開設状況で確認します。開設していない施設への避難を希望する場合、市は危機管理課への連絡を案内しています。収容人数の表も、その時点の空き人数や受入保証ではありません。

地震の備え、避難の時期、相談先

2025年7月版として掲載される総合図の震度・液状化・津波浸水予想地域は、原図の出典欄では2014年5月の県調査に基づくと記しています。震度は揺れの強さ、液状化は地盤の危険度で、個々の住宅が倒壊する確率や地震の発生確率ではありません。ページや配布版の更新と、想定の改定を分けて読み、家具の固定と出口をふさぐ物の整理を進めましょう。

風水害では、市の避難情報の説明に沿って、避難に時間がかかる人はレベル3で危険な場所から避難し、レベル4では危険な場所から全員避難します。レベル5の発令を待つものではありません。「避難勧告」は現在の発令名ではなく、避難指示に一本化されています。

気象情報は冊子作成後に変わりました。気象庁の現在の案内では、2026年5月29日から新たな防災気象情報を運用しています。市の避難情報と、現在のキキクル・河川水位等を併せて確認してください。

市は地震・津波への備えで、食料・飲料水を最低3日分、できれば7日分備蓄するよう案内しています。常備薬、携帯トイレ、家族の連絡方法も用意します。ペットと避難する場合はフード・トイレ用品等を自分で備え、人と同じ室内で生活するものではないとの市の説明も確認してください。在宅避難は、建物等の安全が確認された場合の選択肢です。

問い合わせ先は、図や避難先・開設については危機管理課0533-66-1208、雨水出水図の対象範囲や計算条件については下水道課計画担当0533-66-1138です。ため池の異常は、まず安全を確保したうえで農林水産課0533-66-1124へ連絡します。相談時は、地区・資料名・災害の種類・判断できない点・必要な支援を整理して伝えてください。