安城市では、水害マップの表面で浸水と避難経路の全体像をつかみ、裏面で河川の氾濫・内水・高潮を分けて確認します。避難先は地図の施設名だけで決めず、市の指定避難所一覧にある大規模水害時の制限と、工事・大会に伴う期間制限を合わせて読んでください。

市が案内する水害図は2026年5月作成の第9版、地震図は2026年1月作成の第7版です。水害図だけで液状化や地震時の津波まで判断することはできません。まず、次の表から必要な資料を開きます。安城市水害ハザードマップ・安城市地震ハザードマップ

目的に合う公式ハザードマップを選ぶ

確かめたいこと 開く資料 読み取る内容・注意点
自宅周辺の浸水と避難経路を見渡す 水害マップ・表面 外水と内水を重ねた浸水深、家屋倒壊等氾濫想定区域、避難所の水害時の区分。
河川の氾濫・内水・高潮を分ける 水害マップ・裏面 矢作川、鹿乗川・猿渡川・長田川など、市内の水路、高潮の4図。図ごとに条件と凡例を読む。
下水道等の排水区域の内水と継続時間を調べる 雨水出水浸水想定区域の指定 浸水深・浸水継続時間の全域・北部・南部図。水害マップ裏面の内水図と区域の取り方が異なる。
地震の揺れ・液状化・建物被害・津波を調べる 地震マップの案内と表・裏 表は歴史・被害予測・備え、裏は理論上最大想定の分布図。集計範囲と指標を区別する。
避難生活をする施設と、緊急的に逃げる場所を分ける 指定避難所・指定緊急避難場所 指定避難所は一定期間の避難生活用。一時避難場所・広域避難場所は緊急避難の用途と対象災害が別。
身近な水路・低い場所・地域の注意を補う 地域の手づくりハザードマップ 地域で作成した資料の入口。行政の浸水想定と合わせ、身近な経路を考える。

水害マップの表と裏は、同じ色でも同じ条件とは限らない

水害マップの表面は、河川の氾濫と下水道・水路からの浸水を重ね合わせた図です。国が管理する矢作川、県が管理する河川、市が管理する下水道・水路について、最も危険な浸水状況を重ねています。1回の雨で地図どおりにすべての河川が同時に氾濫する予報ではありません。 自宅だけでなく、避難先までの道路がどの浸水域を通るかを見渡すために使います。市の解説

表面の浸水深は、0.5m未満、0.5~1.0m未満、1.0~3.0m未満、3.0~5.0m未満、5.0~10.0m未満、10.0~20.0m未満の6区分です。家のイラストは深さの目安であり、「この階なら自分の家も必ず安全」という判定には使えません。

さらに、家屋倒壊等氾濫想定区域を深さの色と別に確認します。凡例は「河岸侵食」と「氾濫流」を分けています。河岸侵食では地面が削られて家屋が建物ごと崩落するおそれ、氾濫流では速い流れにより木造家屋が倒壊するおそれがあります。図では早期の立退き避難が必要な区域として示されており、上階へ移ればよい区域と読み替えないでください。水害マップ・表面の凡例

裏面の「もし、矢作川があふれたら」には、計算条件として48時間の流域総雨量683mmが記載されています。一方、県管理河川の図は流域ごとの24時間雨量で、同じ時間幅ではありません。これらは浸水想定の計算条件です。自宅でその雨量を観測するまで避難を待つ基準にしないでください。

裏面は矢作川図が6段階、県管理河川図が5段階、内水図が4段階、高潮図が2段階の深さ区分になっています。色の印象だけで比較せず、各図の凡例の数値を読みます。例えば高潮図の橙色は0.5~3.0m未満、内水図の橙色は3.0~5.0m未満です。同じような色でも深さの範囲が違います。水害マップ・裏面

内水の図が2種類ある理由

裏面の「もし、市内の水路があふれたら」は、市内の下水道・水路からの浸水を示します。市は、第8版から、法に基づく雨水出水浸水想定区域と市独自の想定最大規模の内水氾濫を重ねた図として案内しています。河川別の洪水図で色がなくても、この内水図を省かないでください。水害図の解説

別ページの雨水出水浸水想定区域図は、青枠の公共下水道等の排水区域のうち、浸水が想定される着色部を示します。想定最大規模降雨は1時間147mmです。市の注意事項には、想定を超える雨と外水氾濫は考慮していないこと、実際の深さ・継続時間は異なる場合があること、着色がない区域でも浸水し得ることが示されています。

地域全体の避難を考える水害マップと、雨水出水の区域・深さ・継続時間を調べる図を、同じ範囲の図と扱わないことが大切です。継続時間が必要なら、雨水出水の案内ページで「浸水継続時間」の全域・北部・南部から該当図を選びます。1時間147mmも避難の待機基準ではありません。

避難所は「期間制限」と「大規模水害時の制限」を重ねて読む

指定避難所の一覧に施設があることは、その施設が今開いていることを意味しません。施設ごとに開設のタイミングが異なり、市は緊急災害情報や「安城防災ナビ」などで開設状況を確認するよう案内しています。災害時の指定避難所

同じページには、アジア競技大会の占有利用や改修工事等による利用制限があります。水害マップに載った施設を選ぶ際にも、この期間制限を合わせて確認してください。

施設名 市の一覧にある条件 避難先を考える際の注意
安城市体育館 2026年7月16日~11月15日は、原則として避難所に利用できない期間。 市が示す最寄りの指定避難所は中部公民館、青少年の家。期間と実際の開設情報を確認する。
中部公民館 体育館の利用制限案内で示された最寄りの指定避難所。一覧No.17。 代替先としての掲載を、常時開設や経路の安全保証と読み替えない。
青少年の家 体育館の利用制限案内で示された最寄りの指定避難所。一覧No.23。 実際の開設状況を市の情報で確認する。
安城南高等学校 2027年2月28日まで原則として利用できない期間。大規模水害時には使用できない「※」も付く。 市が示す最寄りの指定避難所は桜井中学校。ただし、代替先にも水害時の制限がある。
桜井中学校 高校の利用制限案内で示された最寄りの指定避難所。一覧No.52に「※」。 大規模水害時には使用できない。高校の代替指定だけで、水害時の避難先に決めない。
北部公民館 一覧No.1に「※」。大規模水害時には使用できない公民館避難所の一つ。 市は該当する公民館を水害時にいったん開設し、浸水のおそれを判断した場合は閉鎖する可能性があると説明する。

施設名・期間・「※」は市の指定避難所一覧によります。期間の終了後も、実際に避難するときの開設確認は必要です。表に「※」がないことも、あらゆる規模の災害で安全という保証ではありません。

特に、桜井中学校も大規模水害時には使用できないという点は、期間制限の代替案内と施設一覧を合わせて読むと分かります。地震の避難先候補と水害の避難先候補は、同じ施設名で固定せず、対象災害と開設情報に応じて確認してください。

水害図の施設記号も、使用できる施設、一時的に使用できるが大規模水害時に浸水し得る施設、使用できない施設を分けています。公民館の「いったん開設するが閉鎖する可能性」と矛盾するように見えたときは、「開設直後」と「浸水のおそれがある段階」を分けて考えます。移動が必要になる場合もあるため、最初の避難先だけでなく、閉鎖時の市の案内を受け取れるように備えます。水害マップ・表面

指定緊急避難場所は、一定期間生活する避難所とは役割が異なります。市は、公園・グラウンド等の一時避難場所と、大規模火災に対する広域避難場所を案内しています。一時避難場所にも工事等による期間制限があります。場所の名称だけで全災害に使えると判断せず、指定緊急避難場所の案内で対象災害と注意事項を読んでください。

地震図の250mメッシュは、一軒の家の判定ではない

地震図では、過去地震最大モデルと理論上最大想定モデルを分けて読みます。表面の被害予測表は、上段が過去地震最大モデル、下段の括弧内が理論上最大想定モデルです。両方の数を同じ想定として混ぜないでください。地震マップ・表面

裏面の震度・液状化危険度・建物の全壊・焼失率は、250mメッシュの地域的な分布を読む図です。市は、液状化危険度を個々の建築物や土地の判断に使えないこと、白地の地域でも局所的に液状化の危険があることを説明しています。色のない土地を液状化しないと決めつけないでください。市の地震図解説

建物の全壊・焼失率は、メッシュ内にある建物の割合を示します。自宅一軒がその割合で倒壊する確率ではありません。震度、液状化、建物被害は別の指標なので、家具の固定や家屋の耐震性、地盤の個別条件はそれぞれ確認します。地震マップ・裏面

裏面の津波図は「津波災害警戒区域の基準水位分布図」です。基準水位は、浸水深に津波が建物等へ衝突した際のせり上がりを考慮した、地盤面からの高さです。通常の浸水深と同じ数値として比較しないでください。

市の解説は、地震による堤防の沈下や決壊で、市南部の河川・油ヶ淵周辺などに浸水し得ることを示します。海岸がないことを理由に津波図を省かず、避難先と経路の位置を確認します。想定が「ゆるやかな浸水被害」と説明されていても、避難を待ってよい時間を示すものではありません。市の地震図解説・基準水位の説明

最新の避難情報と、地域の経路を確かめる

市は2026年5月29日からの防災気象情報の変更を案内しています。古い紙の図や資料だけを頼りにせず、市の新しい防災気象情報の解説を読み、河川氾濫・大雨・土砂災害・高潮のどの危険に関する情報かを確かめます。水害マップ裏面は、警戒レベル3の高齢者等避難、4の避難指示、5の緊急安全確保を分け、レベル5の発令を待たないよう説明しています。

現在の開設状況は、指定避難所の案内にある「緊急災害情報」「安城防災ナビ」の入口から確かめます。ここに掲載した期間・条件は施設選びの準備に使う情報で、現在の開設を実況するものではありません。

地域の手づくりマップは、身近な土地の高低や水路などを考える補助資料です。案内ページで該当地域の図を探し、水害マップで浸水域を読んだうえで、日常の移動経路に低い場所や水路がないかを照らし合わせます。地域図がないことや、地域図で注意が載っていないことを、安全の証明にしないでください。

避難所の期間制限、対象災害、図の読み方で迷う場合は、危機管理課危機管理係の0566-71-2220へ、町名、開いている資料名、検討している施設名と災害の種類を伝えて尋ねます。内水の図の範囲や雨水出水浸水想定区域については、土木課河川係の0566-71-2239が問い合わせ先です。自宅が安全かを地図の色だけで決めるのではなく、どの図の、どの条件の記載が分からないのかを具体的に伝えてください。指定避難所の問い合わせ先・雨水出水図の問い合わせ先