碧南市の水害を調べるときは、矢作川・高浜川・蜆川の洪水、下水道の排水能力を超える雨による内水、高潮、津波をそれぞれ確認します。川の洪水図が白地でも、内水の危険がないとは判断できません。避難先も「学校」という単位でまとめず、体育館・校舎・グラウンドと、対象の災害を照合してください。

まず碧南市のハザードマップ一覧から災害別の図を開きます。内水は内水ハザードマップのページに全体の地域索引と地区別の図があります。この記事は公式資料を照合した確認方法の整理です。個々の建物の安全や、現在の避難施設の開設状況を判定するものではありません。

公式ハザードマップは災害と「深さ・時間」で選ぶ

市の総合ページには、2025年発行の洪水・高潮・津波の図と避難施設一覧が掲載されています。掲載ページの更新日、紙面の発行年、元の想定区域の指定年月は別の情報です。 例えば高浜川・蜆川の2025年の図に記載された指定年月は2024年11月、津波の基準水位図に記載された指定年月は2019年7月です。

調べる災害・資料 公式の入口と条件 自宅や経路で見ること
矢作川の洪水 浸水深図・浸水継続時間図。48時間総雨量683mm、浸水深図は2019年6月指定の想定を使用 深さに加えて家屋倒壊等氾濫想定区域、浸水が続く時間
高浜川の洪水 浸水深・浸水継続時間図。24時間総雨量770mm、2024年11月指定 上段の深さと下段の時間を分けて読む
蜆川の洪水 浸水深・浸水継続時間図。24時間総雨量836mm、2024年11月指定 河川沿いの区域、道路の浸水、時間の凡例
内水 市の地区別図一覧。1時間147mm、下水道計画区域内の想定 地区の選択、計画区域の赤線、水路やアンダーパス、避難施設欄の注記
高潮 浸水深図・継続時間図。2021年6月指定、最大規模の台風と堤防決壊を想定 海沿いだけでなく、自宅・道路の着色と継続時間
津波・地震 市の基準水位図と到達時間・地震の図。県の津波浸水想定も確認 基準水位と地盤の標高を区別し、県の新しい図と原資料の時点を確認

内水の地区別図は、新川、中央、大浜の北・南、棚尾、日進、鷲塚、西端の北・南に分かれます。全体の地域索引で住所が入る地区を選び、自宅と避難先、その間の道路を探してください。複数の災害の図を同じ場所で見比べることが必要です。

洪水は3河川を見比べ、継続時間を読み違えない

洪水の683mm・770mm・836mmは、対象流域と集計時間が異なります。内水の147mmは1時間の雨量なので、数値の大小だけで危険度を比較できません。洪水図は対象の川が氾濫した場合の想定です。高浜川・蜆川の図には、支川の決壊、想定を超える雨、高潮、内水による氾濫を考慮していない旨が記載されています。白地は、あらゆる水害で安全な区域を意味しません。

自宅の深さだけでなく、避難に使う道路の着色も確認します。図の凡例にある家屋倒壊等氾濫想定区域は、氾濫流や河岸侵食で家屋が倒壊するおそれを示す情報です。浸水深が浅く見えることだけで、建物内にとどまれるとは判断できません。 区域の種類と位置を確認し、屋内にとどまる計画だけで済ませないようにします。

矢作川の継続時間図などに記載された浸水継続時間は、浸水深が0.5m以上になってから0.5m未満になるまでの時間です。地面が完全に乾くまでの時間や、道路・電気・水道が復旧するまでの時間ではありません。0.5m未満の浸水について時間が表示されないことも、浸水が起きないという意味にはなりません。

継続時間が長い場所では、移動や生活の制約が続くことも考えて、早めに避難する先と備蓄を検討します。図の色を見たら、その図の凡例で時間の区分を確かめてください。別の河川の凡例を当てはめないことが大切です。

内水は147mm/1時間の想定と赤線を確認する

雨水出水浸水想定区域の説明では、区域の指定日を2025年9月1日、対象を下水道の雨水計画区域内全域としています。想定する雨は、1時間当たり最大147mmです。

例えば棚尾地区の内水図では、赤い線が下水道計画区域を示し、浸水深の凡例は0.1m以上0.3m未満、0.3m以上0.5m未満、0.5m以上1.0m未満、1.0m以上3.0m未満に分かれています。この図には洪水・高潮・津波の影響を組み合わせた結果は含まれていません。区域外や着色のない場所についても、安全を保証する図ではありません。

市は、雨の降り方によって白地でも浸水する可能性があり、特に水路の近くでは注意が必要と説明しています。また、元の想定にはブロック塀などの外構や、個々の敷地の側溝・排水設備が反映されていません。実際の浸水や水が引く状況は、図と異なる場合があります。内水の継続時間についても、下水道施設の機能停止状況によって長引くことがあります。想定の条件と限界を深さと一緒に読んでください。

内水は短時間で発生します。市の案内では、水路の急な水位上昇で家屋への浸水が予想され、避難所まで移動する時間がなく危険と判断される場合は、直ちに上層階や近くの高いところへ逃げるとしています。これは時間を失った緊急時の行動です。洪水・高潮・建物の条件を確認せず、常に自宅上階だけでよいと考えることはできません。平時に外へ避難する経路と、急な浸水時の対応を家族で分けて考えておきます。

高潮・津波は基準と原資料の時点を確認する

市の高潮図は、中心気圧910hPaの台風が伊勢湾台風級の移動速度73km/hで到来し、堤防等が決壊する場合を想定しています。予報される個々の台風の浸水をそのまま示す図ではありません。図の深さと継続時間で、自宅と道路の条件を確認します。高潮図の説明

津波の基準水位は、津波の水位に、建物などに当たってせり上がる高さを加えた、地面からの高さです。地盤の標高と同じ数値ではありません。市の図は、地震で地盤が沈下することや、津波が川を遡上することにも注意を示しています。海岸から離れていることだけを判断材料にしないでください。基準水位図の説明

愛知県は2026年6月15日に津波浸水想定を変更しています。県の公表ページで碧南市を含む詳細図の入口は番号7・10・11です。2025年発行の市の図と、県の新しい公表資料を区別して確認してください。ここでは新しい詳細図の地点別の深さや到達時間を断定していません。

大津波警報・津波警報が発表された場合、市の図は浸水区域内から直ちに避難するよう示しています。古い図の到達時間を「それまで待てる時間」と考えないでください。図の時刻を数えてから動く計画ではなく、津波の来ない高い場所への移動を事前に考えます。

避難先は「施設名・部位・災害・注記」を照合する

市の避難施設ページでは、避難所を自宅に戻れない人が一時的に生活する場所、一時退避場所を災害時に一時的に命を守る場所としています。火災時退避場所は大規模な火災に備える屋外の施設です。これらの用途を取り違えないようにします。

次の表は2025年の避難施設一覧の5施設を、市の施設ページと棚尾地区の内水図で照合した例です。津波・洪水・高潮の○は使用可、△は上層階であれば使用可、×は浸水するため使用不可という、原資料の記号です。内水の「○注」の条件も下の説明まで読んでください。

施設名 用途・所在地 津波/洪水/高潮 棚尾地区図の内水欄
棚尾小学校体育館 避難所/春日町1-5 ○/×/× ○注
棚尾小学校校舎 一時退避場所/春日町1-5 ○/△/△ ○
棚尾小学校グラウンド 一時退避場所・火災時退避場所/春日町1-5 ○/×/× ○注
ものづくりセンター 一時退避場所/汐田町1-1-2 △/△/△ ○
ジール碧南店 立体駐車場 一時退避場所/栗山町2-59-1 ○/△/△ ○

同じ住所にある学校でも、体育館・校舎・グラウンドの行をまとめてはいけません。 体育館とグラウンドの内水欄にある「○注」は、高潮・洪水が予想される場合は使用できないという注記付きです。内水の欄だけを見て、複数の水害が予想される日に使用できると判断しないでください。校舎についても、洪水・高潮欄の△は上層階という条件があります。

津波欄が△の建物は、津波による倒壊・転倒等をしないことが確認できていないと原資料に記載されています。市は、可能であれば○の建物へ、津波到達前に移動できる場合は津波が来ない区域へ避難するよう説明しています。ものづくりセンターの内水欄の○を、津波についても○と読み替えないでください。立体駐車場の行も、店舗全体の避難生活の受け入れを示すものではありません。

一覧への掲載や「○」の記号は、現在開設していることや空きがあることを示すものではありません。災害の規模によって開設されない避難所もあります。開設情報は市のホームページの「緊急防災情報」、へきなん防災メール、ケーブルテレビKATCH、Pitch FMなど、市が案内する発信で確認します。避難施設一覧の開設案内

地震・斜面も見て、家族の行動と相談先を決める

地震の図は、震度分布・焼失率・液状化危険度を別々に掲載しています。出典は2017年3月の調査研究、想定条件は2014年11月の県の被害予測を用いた理論上最大想定モデルの陸側ケースです。2025年の紙面発行と、想定の出典時点を区別してください。地域の想定色を、個々の家の耐震性や地震の発生確率に読み替えることはできません。

洪水・高潮・津波・内水の図には、土砂災害警戒区域と特別警戒区域の表示もあります。水害の着色と斜面の区域は別の情報です。自宅だけでなく、予定する避難経路が斜面の区域、水路、冠水が想定される道路やアンダーパスを通らないか、各図の凡例と位置で確認します。地図上の経路が、発災時にも通行できることまで保証されるわけではありません。

市の総合ページには、時間の流れに沿って「いつ・誰が・どのように行動するか」を考えるマイ・タイムラインの記入シートがあります。住所に関係する災害、候補施設の正確な部位と使用条件、開設情報を確認する方法、家族が移動に必要とする時間を話し合い、記入してください。市のマイ・タイムライン案内

気象情報は現在の発表内容を確認します。気象庁は2026年5月29日から新たな防災気象情報の運用を開始しています。古い冊子だけで情報名称を覚えず、気象庁の新しい防災気象情報の案内と市からの避難情報を合わせて確認してください。

施設の対象災害、上層階の使用条件、最新の施設情報が不明な場合は、市の危機管理係 0566-95-9874へ、施設名・部位・想定している災害を伝えて問い合わせます。内水図の赤線や住所の位置、想定の排水条件を確認したい場合は、下水道課都市下水係 0566-95-9913へ、住所と見ている図の名称・不明な箇所を伝えます。雨水出水浸水想定区域図は下水道課の2階6番窓口でも閲覧できます。防災図の問い合わせ先/内水の問い合わせ・閲覧案内