坂戸市で洪水への備えを考えるときは、市の「水害ハザードマップ」4分割と、「浸水実績区域・浸水継続時間」の図を組み合わせて確認します。自宅の深さだけでなく、家屋倒壊等氾濫想定区域、避難経路、浸水が続く時間を読み合わせるためです。

避難先は、地図のマークだけで決めず、現行の「防災関連施設一覧」と水害時の地区別一覧で確認してください。2階以上への一時退避と、一定期間避難生活を送る避難所は別です。 地震用の地図で近い施設を見つけても、水害時に同じ使い方ができるとは限りません。

どの地図を見るか:洪水図、実績図、施設一覧を使い分ける

坂戸市の防災マップ案内には、2021年3月発行の冊子全体と分割PDFがあります。洪水を調べる場合は「水害ハザードマップ」を選びます。「防災マップ」は主に地震や大規模な火災の際の避難場所・避難所を示すため、水害用の施設マークとは一致しません。

確認したいこと 使う資料 読む際の注意
自宅と経路の浸水深・家屋倒壊区域 水害ハザードマップ1〜4 4分割の位置図で場所を選び、凡例と川沿いの区域を確認
過去に浸水した範囲 浸水実績区域・浸水継続時間の図 1999年・2016年の内水、2019年の洪水・内水の実績表示。予測の深さとは別
浸水が長く続く可能性 同じ図の浸水継続時間の色 水深50cmを基準にした時間。到達までの猶予ではない
水害で使える施設・利用範囲 現行の防災関連施設一覧と水害時の地区別一覧 地図の番号だけで対応させず、施設名・役割・対象災害を照合
地図を画面で拡大する 市の案内からe-マップさかどへ 市は防災マップの全情報を掲載しているわけではないと説明。必要なPDFも開く

地名、道路、学校などを手がかりに自宅を探したら、候補の避難先までの道をたどります。目的地の深さが浅くても、途中に深い場所や川沿いの道、道路冠水注意箇所がないかを確認しましょう。地域全体の位置関係は坂戸市の防災情報と合わせて整理できます。

洪水の色は、想定条件のもとでの深さ

水害図が対象とする国管理河川は、入間川、越辺川、小畔川、高麗川、都幾川です。県管理河川は、越辺川上流部、高麗川上流部、飯盛川、葛川、葛川放水路です。大雨によって河川が氾濫した場合の範囲と深さを示しています。

図には想定最大規模降雨として、入間川流域の3日間総雨量740mmが記されています。これは想定の条件であり、市内のどの地点でも740mm降る予報や、降り始めから3日間待てるという意味ではありません。図に示された河道・調節池などの整備状況を踏まえたシミュレーションです。

深さの凡例は0〜0.5m未満、0.5〜3.0m未満、3.0〜5.0m未満、5.0m以上です。家の図に示された床や天井との関係は目安として読み、自宅の床の高さや建物の状態を個別に保証するものとは扱いません。

説明欄には、支川の氾濫、想定最大規模を超える雨、内水による氾濫(水害リスク情報図を除く)などを考慮していないとあります。白地や浅い色だけで、浸水しないと判断しないでください。 排水や地形の条件、実際の雨の降り方によって、想定外の場所や深さになることもあります。ハザードマップの白地を読む際の注意も参考になります。

青い氾濫流・赤い河岸侵食は、深さとは別に確認する

水害図では、家屋倒壊等氾濫想定区域を青い縁の「氾濫流」と赤い縁の「河岸侵食」に分けています。氾濫流は堤防決壊後に流れ込む水の力、河岸侵食は川岸の地面が削られることで、家屋の流失・倒壊につながるおそれを示します。

建物自体に被害が及ぶ区域では、上階に残ることだけを避難計画にしません。 図は該当区域の住民に早めの立ち退き避難が必要と説明しています。浸水深の背景色と、これらの区域の縁を別々に確認し、自宅だけでなく外へ出る道も読み合わせます。

水害マップ4には土砂災害の図もあります。黄色の警戒区域、赤色の特別警戒区域が描かれた西坂戸3丁目・多和目周辺では、洪水の色だけで済ませず土砂災害の表示も確認してください。住所全体が同じ条件とは限らないので、拡大図と現在の自治体案内で自分の場所を照合します。

「浸水継続時間」と「過去の浸水実績」を取り違えない

冊子29〜30ページの図は、継続時間の色の上に、過去の浸水実績を斜線で重ねています。継続時間は、水深が50cmに達してから50cmを下回るまでの時間の最大値です。凡例は12時間以下、12〜24時間、24〜72時間、72〜168時間に分かれています。

72時間の表示は、避難まで72時間待てるという意味ではありません。また、50cmを下回っても、水が完全になくなったり道路が通れるようになったりするとは限りません。自宅に残ることを検討する場合も、建物への被害、停電・断水、トイレ、食料、必要な薬、外部からの支援が途切れる可能性まで含めて考えます。

実績の斜線は、紫が2019年10月の台風19号による洪水・内水、赤が2016年8月の台風9号による内水、緑が1999年8月の集中豪雨による内水です。2019年の範囲は浸水推定段彩図と浸水痕跡調査をもとに、1999年・2016年は当時の現地調査記録をもとに示されています。図は実際の範囲と異なる可能性も説明しています。

過去の実績は、将来の浸水深の予測と同じではありません。実績の斜線がないことも、次の内水や洪水が起きない根拠にはなりません。継続時間の色、実績の斜線、深さを示す別の水害図を分けて読みます。

避難先は現在の一覧で、災害と役割を照合する

市の避難場所・避難所案内には、現行の防災関連施設一覧と、水害時・地震時の地区別一覧があります。2021年冊子の「勝呂公民館」「入西公民館」といった名称は、現行一覧では地域交流センターとして確認します。施設番号も一部異なるため、旧地図の番号を現行一覧へそのまま当てはめません。

現行一覧の△は、水害時に施設の2階以上で避難者を受け入れる施設で、一時避難のみという意味です。○は列ごとの対象施設、ーは対象外です。施設名に一つの○があっても、すべての災害や用途で利用できるわけではありません。

現行一覧の例 洪水の一時避難場所 風水害の避難所欄 避難計画で区別すること
勝呂地域交流センター △施設内 ー 地域防災拠点と、2階以上の一時退避の役割。長期の避難先と同じにしない
勝呂小学校 ○校庭 ○ 緊急に身を守る場所と、避難生活に使う施設の役割を確認
上谷小学校 △校舎 ー 地震時の避難所欄は○でも、水害で同じ利用を前提にしない
入西地域交流センター △施設内 ー 水害時の地区別一覧では、地域防災拠点と入西小学校の役割を分けて読む

水害時の地区別一覧では、例えば石井・島田・赤尾・若葉・ひいらぎタウンは、地域防災拠点が勝呂地域交流センター、避難所が勝呂小学校と示されています。塚越・戸宮は住吉中学校です。町名と区・自治会・マンション名が併記されるときは、表の見出しにある優先条件も読みます。

この割り当ては目安で、必ずそこへ避難するという決まりではありません。市は状況に応じて避難しやすい施設へ避難するよう案内しており、自治会加入の有無で施設利用を分けていません。

施設が指定されていることと、現在開設されていることは別です。市は被害状況などに応じて避難所を開設し、安全性を確認した地域防災拠点や一時退避施設に開設することもあります。発災時は、市の開設情報と避難情報を確認してください。

ペット・支援が必要な家族も、施設名だけで決めない

市はペットの同行避難が可能と案内しています。ただし、ペットが過ごす場所は施設ごと、大型・小型ごとに異なります。公式の「ペット避難先一覧」を使い、同じ居室で過ごせると決めつけないようにします。災害状況によって変更されることもあり、現場では係員の誘導に従います。ケージやキャリーバッグ、持出品、給餌や薬の管理は飼い主が準備します。

ペット一覧に学校名があることは、その学校がすべての水害で開設されるという意味ではありません。先に防災関連施設一覧の洪水・内水・風水害の各列を確認し、その後にペットの受入場所を確認します。

福祉避難所は、避難生活が難しい方に必要に応じて二次的に開設される施設です。市の一覧は、基本的に避難所からの移送で入所するため、直接の避難では入所できないと説明しています。移動や介助に支援が必要な場合は、平時から家族・支援者と相談し、必要な支援や薬を含めた避難計画を用意しましょう。

まず水害図で自宅・経路・候補施設を照合し、継続時間と実績図を加え、現行施設一覧で役割を確認します。資料の位置や施設の利用条件が分からない場合は、市の防災安全課の問い合わせ先を使って確認してください。