「災害時に何を用意すればいいか、一覧でほしい」——そう思って検索する方は多いはず。本記事は、災害種別ごとにチェックリスト化した実用版です。印刷・スクリーンショットして家族と共有してください。
ただし、「全災害に備える」は無駄が多いのが現実です。海から遠い家に津波用ライフジャケットは不要ですし、活断層から離れた地域の家に重いヘルメットは優先度が低い。自宅のリスクに応じて取捨選択するのが、賢い備えの鉄則です。
防災DBで自宅の災害リスクを確認すると、6種類のうちどれが高リスクかがわかります。その結果を使って、本記事のチェックリストから該当する項目だけを選んでください。
この記事でわかること
- 全災害共通のチェックリスト(必ず揃えるもの)
- 6災害別の追加チェックリスト(地震/水害/津波/土砂/高潮/火山)
- 家族人数・日数別の必要数量計算表
- 持ち出し袋と自宅備蓄の2か所配分
- 防災DBで自宅リスクを調べ、必要な項目だけに絞る方法
第1章:全災害共通チェックリスト(全員必須)
災害の種類を問わず、生存に必要な最低限のセットです。まず家族人数×3日分を揃えます。
✅ 飲食・水分
- [ ] 飲料水 1人9L(1日3L×3日)
- [ ] 非常食 1人9食(アルファ米・レトルト・缶詰・栄養食)
- [ ] お菓子・甘味(チョコ・飴、精神安定用)
- [ ] 調理不要の食品(パン・ビスケット・干し果物)
✅ 排泄・衛生
- [ ] 携帯トイレ 1人15回分(1日5回×3日)
- [ ] トイレットペーパー 1人1ロール
- [ ] ウェットティッシュ 1人1パック
- [ ] マスク 1人10枚
- [ ] 歯ブラシ・歯磨きシート
- [ ] ビニール袋(ゴミ・汚物処理用)
✅ 情報・通信
- [ ] 手回し充電式ラジオ 1台/家族
- [ ] モバイルバッテリー 1人1台(10,000mAh以上)
- [ ] 充電ケーブル(USB-C・Lightning・microUSB)
- [ ] 乾電池(単3・単4各10本)
✅ 照明
- [ ] 懐中電灯 1人1本
- [ ] LEDランタン 1台/家族
- [ ] 予備電池
✅ 衣類・防寒
- [ ] アルミブランケット 1人1枚
- [ ] 防寒着 1人1着
- [ ] レインコート 1人1枚
- [ ] タオル 1人2枚
- [ ] 軍手 1人1双
✅ 救急・薬
- [ ] 救急セット(絆創膏・包帯・消毒液・鎮痛剤)
- [ ] 常備薬(最低1週間分の予備)
- [ ] 体温計
- [ ] 冷却シート
✅ 現金・貴重品
- [ ] 現金1万円/人(小銭含む)
- [ ] 保険証コピー
- [ ] 身分証コピー
- [ ] 通帳コピー
第2章:地震特化のチェックリスト
防災DBで震度6弱以上の30年発生確率が30%以上の地域にお住まいの方は、以下を追加してください。
✅ 倒壊・落下対策
- [ ] 防災ヘルメット 1人1個
- [ ] 軍手・革手袋(ガレキ作業用)
- [ ] 笛(ホイッスル、倒壊時の救助要請)
- [ ] 厚底スリッパ(ガラス破片対策)
✅ 救助・脱出
- [ ] バール・ハンマー(ドア脱出用)
- [ ] ロープ(10m)
- [ ] 簡易担架(災害時用マット)
✅ 地震後対策
- [ ] 感震ブレーカー(事前設置推奨)
- [ ] ガラス飛散防止フィルム(事前施工)
- [ ] 家具固定具(L字金具・突っ張り棒・耐震マット)
✅ 火災対策(地震後)
- [ ] 消火器
- [ ] 耐火バケツ
- [ ] 防煙フード
第3章:水害・洪水特化のチェックリスト
防災DBで想定浸水深1m以上と出た地域の方は必須。
✅ 家屋の防御
- [ ] 止水板(玄関前設置用、1〜2枚)
- [ ] 土嚢(20〜30袋)
- [ ] 防水シート(窓・扉の水侵入防止)
- [ ] シリコンコーキング(隙間埋め)
✅ 浸水時の備え
- [ ] 防水バッグ(貴重品・スマホ用、大中小)
- [ ] 長靴(膝下以下の浸水対応)
- [ ] 合羽(上下セット)
- [ ] ライフジャケット(浸水深2m超地域)
✅ 復旧作業用
- [ ] ゴム手袋
- [ ] 消毒薬(汚水対策)
- [ ] 大型ゴミ袋(汚染物の処理)
- [ ] スコップ・バケツ
✅ 情報収集
- [ ] 気象庁警戒レベル一覧表(印刷してリュックに)
- [ ] 自治体の避難場所マップ
- [ ] 自宅周辺のハザードマップ
第4章:津波特化のチェックリスト
沿岸地域で防災DBの津波浸水深表示ありの方。
✅ 緊急避難用
- [ ] ライフジャケット(家族全員分)
- [ ] 防水袋(大)
- [ ] 高台避難用軽量リュック
✅ 情報ツール
- [ ] 緊急地震速報対応ラジオ
- [ ] 高台避難ルート(印刷マップ)
- [ ] 津波避難ビル一覧(自治体資料)
✅ 長期避難用
- [ ] 5日分以上の備蓄
- [ ] ペット用フード(沿岸部ペット避難ルート要確認)
- [ ] 離れた親戚の連絡先リスト
第5章:土砂災害特化のチェックリスト
山裾・急傾斜地・防災DBで土砂災害警戒区域内と出た方。
✅ 早期避難の準備
- [ ] 雨量計(または雨量アプリをインストール)
- [ ] 土砂災害警戒情報のプッシュ通知設定
- [ ] 自治体の警戒レベルと避難指示連動情報
✅ 避難装備
- [ ] 懐中電灯(停電時避難用)
- [ ] 雨具(合羽)
- [ ] 防水リュック
✅ 脱出用具(万一の時用)
- [ ] スコップ
- [ ] ハンマー
- [ ] 大型ビニールシート(泥汚染保護)
土砂災害は早期避難が命を救います。グッズより「避難を決める判断力」の方が重要。
第6章:高潮・台風特化のチェックリスト
沿岸部・湾奥部(東京湾・大阪湾・伊勢湾・有明海)の方。
✅ 台風接近前(72時間前から)
- [ ] ガムテープ・段ボール(窓の養生)
- [ ] 飛散物撤去(植木鉢・自転車の室内移動)
- [ ] 雨戸点検・シャッター降下
- [ ] 停電対策(モバイルバッテリー満充電)
✅ 高潮対策
- [ ] 土嚢・止水板(水害と共通)
- [ ] 家財の高所移動(1階→2階)
- [ ] 車両の高台移動
✅ 停電対策
- [ ] 非常用発電機(または蓄電池)
- [ ] 予備燃料
- [ ] 照明器具(LEDランタン複数)
- [ ] 懐中電灯+予備電池
第7章:火山特化のチェックリスト
火山周辺地域(富士山麓・鹿児島・熊本・長野・静岡の一部等)の方。
✅ 降灰対策
- [ ] N95マスク(粉塵対応)
- [ ] ゴーグル(目の保護)
- [ ] ほうき・シャベル(降灰除去)
- [ ] ビニール袋(灰の処理)
- [ ] エアフィルター(車・家電)
✅ 避難準備
- [ ] 火山活動レベル監視(気象庁火山情報)
- [ ] 自治体の避難計画確認
- [ ] 遠方への避難ルート
第8章:家族構成別の追加
✅ 乳幼児がいる家庭
- [ ] 粉ミルク・液体ミルク(1週間分)
- [ ] 紙おむつ(1日10枚×7日×人数)
- [ ] 離乳食(月齢別)
- [ ] ベビーフード
- [ ] お気に入りのオモチャ
✅ 高齢者がいる家庭
- [ ] 常備薬(1週間〜1ヶ月分)
- [ ] 入れ歯ケース・洗浄剤
- [ ] 杖・歩行器の予備
- [ ] 大人用紙おむつ
- [ ] 補聴器電池
✅ アレルギー対応
- [ ] アレルゲン除去食
- [ ] エピペン(処方あれば)
- [ ] アレルギー対応表示食品
✅ ペットがいる家庭
- [ ] ペットフード(1週間分)
- [ ] ペット用水
- [ ] キャリーバッグ・リード
- [ ] 予防接種証明書コピー
- [ ] 排泄処理グッズ
第9章:人数×日数別の計算表
9-1. 水の必要量
| 人数 | 3日分 | 5日分 | 7日分 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 9L | 15L | 21L |
| 3人 | 27L | 45L | 63L |
| 5人 | 45L | 75L | 105L |
9-2. 非常食の必要量
| 人数 | 3日分 | 5日分 | 7日分 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 9食 | 15食 | 21食 |
| 3人 | 27食 | 45食 | 63食 |
| 5人 | 45食 | 75食 | 105食 |
9-3. 携帯トイレ
| 人数 | 3日分 | 5日分 | 7日分 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 15回 | 25回 | 35回 |
| 3人 | 45回 | 75回 | 105回 |
| 5人 | 75回 | 125回 | 175回 |
第10章:2か所分散の配分
持ち出し袋(玄関・すぐ持ち出せる場所)
- 水500mL×2本
- 非常食3食
- 携帯トイレ3回分
- 懐中電灯・ラジオ・モバイルバッテリー
- 現金1万円
- 救急セット
- 身分証コピー
自宅備蓄(押入れ・キッチン・複数箇所)
- 残りの水・食料すべて
- 大型備蓄(止水板・ヘルメット等)
- 調理用具
- 寝具・防寒用品
- 家族構成別の追加分
第11章:防災DBで自宅リスクを確認→不要な項目を削る
すべてを揃えると膨大になります。自宅リスクに応じて絞るのが現実的です。
防災DBで自宅住所を入力すると、6災害のリスクがわかります。結果を見て:
- 地震リスク低:ヘルメット・バール・ロープは不要
- 沿岸部ではない:ライフジャケット・津波装備は不要
- 平野部:土砂災害グッズは不要
- 火山から離れている:降灰グッズは不要
- 寒冷地でない:過剰な防寒装備は不要
これだけで、買うべきグッズが半分以下になることも多いです。
第12章:チェックリストの使い方
- 本記事を印刷(または画面キャプチャ)
- 防災DBで自宅の災害リスクを診断(3分)
- 該当する災害の項目に☑を入れる
- 家族人数×日数で必要量を計算
- 持ち出し袋と自宅備蓄に分けて揃える
- 3か月に1回チェックリストで確認
まとめ:自宅リスクに合わせた取捨選択
本記事のポイント:
- 全災害共通20項目は全員必須
- 6災害別の追加項目は防災DBで該当する災害にだけ揃える
- 家族構成(乳幼児・高齢者・アレルギー・ペット)で追加
- 人数×日数×3〜7日で必要量を計算
- 持ち出し袋と自宅備蓄の2か所分散
- 3か月ごとにチェックリストで棚卸し
「全部揃える」のではなく「必要なものを漏れなく」が正解です。
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データ出典:内閣府「防災基本計画」、東京都「東京防災」、総務省消防庁「家庭における備蓄の推奨基準」、国土数値情報(国土交通省)、全国地震動予測地図(防災科学技術研究所 J-SHIS)。防災DBの基盤データ詳細はデータソース一覧をご覧ください。